2026年(令和8年)8月5日に閣議決定された「『給付付き税額控除』の制度導入の基本方針」を開いて、「0%」という文字を探すと、本文には一度も出てきません。 PDFは全13ページで、そのうち1〜5ページが閣議決定の本文、6〜13ページが別紙の「中間とりまとめ」です。「0%」が現れるのは11ページ、つまり別紙の、しかも会議で出た意見を並べた欄だけで、そこに4回出てきます。「半年」も「技術的な制約」も、同じ11ページにしかありません。
2026年9月11日に示された最新の大綱(案)も同じです。全16ページを検索しても「0%」「0%」「ゼロ」は1回も出てきません。
政府は「食料品を1%にする」と決めましたが、政府自身の言葉で「なぜ0%ではなく1%という水準なのか」を説明した箇所は、どちらの文書にもありません。 それが残っているのは、閣議決定に別紙として付いた会議の意見欄だけ、というのが原文を読んだときの状態です。
結論
引き下げ後の税率は、ゼロに届かなかった結果ではなく、ゼロにするための片方の部品です。閣議決定は、引き下げと給付を組み合わせて「全体として飲食料品に係る消費税の実質ゼロ化を実現する」と書いています。いまの軽減税率との差のうち大部分を税率の引き下げで消し、残りを給付で消すという設計です。
したがって家計にとっての問題は「なぜゼロにしてくれないのか」ではありません。残りの部分が、減税ではなく給付という別の形で来ることです。減税はレジで自動的に効きますが、給付は所得に応じた額で、要件があり、額はまだ決まっていません。同じ「ゼロ」でも、確実さが違います。
なぜこの税率になったのかの理由が読み取れるのは、閣議決定の別紙にある会議の意見欄だけです。そこに残っているのは早さと、減税だけでは高所得者ほど恩恵が大きいという批判への対応の二つです。
そしてもうひとつ。消費者から見れば、税率がゼロでもわずかに残っていても、支払う額のほかに違いはほとんどありません。ところが事業者の申告では性質が変わります。 税率をわずかに残したことで、納める税額をゼロにするための特例を、わざわざ置く必要が生じています。
計算の前提
| 項目 | 置いた条件 |
|---|---|
| 引き下げの期間 | 2027年(令和9年)4月1日から2029年(令和11年)3月31日までの2年間 |
| 対象 | 軽減税率の対象となっている飲食料品(範囲は現行のまま) |
| 食費のデータ | 総務省統計局「家計調査(家計収支編)詳細結果表 第4-6表」2025年計・二人以上の世帯のうち勤労者世帯・品目分類 |
| 中心に見る世帯 | 世帯主40〜49歳(世帯人員3.74人・18歳未満1.54人) |
| 1%対象の作り方 | 食料 − 酒類 − 一般外食(学校給食は大半が1%側なので残す) |
| 税率の状況 | 2026年9月16日時点で根拠となる法律は成立していない。大綱は2026年9月15日に閣議決定された(後述の追記)が、法案はまだ提出されていない |
| 給付 | 額も所得の閾値も未定のため、計算に含めない |
「1%対象の作り方」は、同じ家計調査を使った別記事(食料品の消費税1%、何が対象で何が対象外か)と揃えてあります。家計調査の収支項目分類は「外食」を、「飲食店(宅配すし・ピザを含む。)により提供された飲食物は、出前、宅配、持ち帰りの別にかかわらず、全て『外食』に分類する。また、学校給食も含む」と定めています。税法上の「外食」より広いので、これをそのまま引くと1%になる部分を少なく見積もってしまいます。
ただし、一般外食259,149円を引いても、ずれは完全には消えません。 出前・宅配・持ち帰りは一般外食の中に混ざっていて、家計調査では分離できないからです(税法ではこれらも1%側)。逆に、残した学校給食25,700円には、1%にならない分も混ざっています。消費税法施行令第2条の4第2項が軽減税率の対象として挙げているのは、義務教育諸学校・夜間課程の高校・特別支援学校・幼稚園などの給食で、全日制の高校や保育所の分は入っていません。 家計調査の「学校給食」は「幼稚園児、小学生、中学生及び高校生の給食費。3歳以上の給食費(保育園 保育所)も含む」なので、両者は一致しません。したがってこの記事の941,550円は概算で、上下どちらにも振れます。 下振れの幅は分かります。学校給食25,700円を全額外すと1%対象は915,850円になり、7ポイント分は61,026円から59,361円へ、1,665円下がります。上振れのほうは、一般外食のうち店内で食べていない分が公表された統計から分からないため、確定できません。
原文に残っている「1%の理由」は2つだけ
閣議決定の本文(1〜5ページ)が理由らしきことを書いているのは、後で引く①の冒頭にある「足下の物価高に鑑み、できる限り早期に対応を講ずる観点から」の一句だけです。これは早く実施する理由であって、なぜ0%ではなく1%という水準なのかの説明ではありません。0%であっても、この一句はそのまま成り立ちます。
水準のほうの理由が読み取れるのは、別紙の「中間とりまとめ」の意見欄(11ページ)まで下りたところです。次の2つが見つかります。
現下の物価高騰を踏まえれば、できるだけ早期に対応する必要があり、半年で実施できる飲食料品の消費税率を1%に引き下げることが考えられるが、これに飲食料品に係る消費税率1%相当分の「所得に連動したきめ細かな給付」の先行導入を組み合わせることで、飲食料品に係る消費税率0%を実質的に達成しつつ、消費税減税は高所得者優遇になるという批判にも対応できる。
基本的に2年間の飲食料品に係る消費税率0%を目指すべきだが、技術的な制約から1%への引下げとすることは否定しない。
読み取れるのは早さ(半年で実施できる)と、減税だけでは高所得者ほど恩恵が大きいという批判への対応です。「技術的な制約」が具体的に何を指すのかは、原文には書かれていません。
ただし、これらは会議で述べられた意見です。政府が「この理由で1%にした」と書いたものではありません。中間とりまとめ自身が、経過措置について「具体案について意見の一致には至らなかった」と締めくくっています。
「技術的な制約」の周辺を裏づける記述は、別のところにあります。 中間とりまとめは、引き下げの課題として次を並べています。
仕入税額控除の還付が受けられない農業従事者等や外食産業への影響、高所得者ほど恩恵が大きいこと、減税分ほど税込価格が下がらない可能性、2年後の税率引上げに係る懸念、関係する事業者の事務負担、地方を含めた財源の確保、消費税率の変更に柔軟に対応できるシステムにする必要性といった課題が指摘された。
そして2026年9月11日の大綱(案)に、この課題への対応が書き加えられました。
また、消費税率の臨時的な引下げの円滑な実施に向けたスマートレジシステムへの移行やレジシステムの改修を行う中小企業等に対する支援を行うとともに、緊急時における消費税率の変更に柔軟に対応できるシステムの普及促進を図る。
この一文は、3日前の令和8年9月8日に示された大綱(案)にはありませんでした。 同じ文書の同じ位置を比べると、9月8日版は「国民や地方自治体への丁寧な周知広報を行うこととする。」で終わっていて、その先が今回加わっています。
「実質ゼロ化」は8ポイントを7と1に分ける話
閣議決定の該当箇所は、①と②の2つに分かれています。
① 足下の物価高に鑑み、できる限り早期に対応を講ずる観点から、令和9年4月1日から2年間、軽減税率の対象となっている飲食料品に係る消費税率を1%とする。
➁ あわせて、(略)飲食料品に係る消費税1%相当分の範囲内で、現時点で公的機関が保有する所得情報を活用した「所得に連動したきめ細かな給付」を令和9年度に導入する。
これらの取組により、全体として飲食料品に係る消費税の実質ゼロ化を実現する。
8%との差は8ポイントです。そのうち7ポイントが①の減税、1ポイントが②の給付です。足して「実質ゼロ化」と呼んでいます。
| 何で来るか | 手続き | 額 | |
|---|---|---|---|
| 7ポイント分 | 税率の引き下げ | 不要(レジで自動) | 買った額で決まる |
| 1ポイント分 | 給付(就業者負担軽減支援金) | 請求。「公的給付支給等口座登録者」は職権認定もある | 未定 |
この表の右下が、この記事でいちばん重要なところです。 2026年9月11日の大綱(案)は、支援金の支給要件を4つ、支援額の決め方を6段階まで書いていますが、金額と所得の閾値は「恒久財源の確保と併せて検討し定める」としたままです。1ポイント分が自分にいくら届くかは、まだ計算できません。
1ポイントは、家計にいくらか
家計調査の実績で計算します。世帯主40〜49歳の勤労者世帯の年間の食料費は1,244,308円で、このうち1%になるのは941,550円です(酒類43,609円と一般外食259,149円を除いたもの)。
この941,550円は8%の税込金額なので、本体価格は871,806円です。そこに何%を掛けるかで、次のように分かれます。
| いま(8%) | 2027年4月(1%) | (参考)0% | |
|---|---|---|---|
| 本体価格(税抜) | 871,806 | 871,806 | 871,806 |
| 消費税・地方消費税 | 69,744 | 8,718 | 0 |
| 合計 | 941,550 | 880,524 | 871,806 |
3本とも下の帯(本体価格)は同じ高さです。動いているのは上の細い帯だけで、1本目から2本目で69,744円から8,718円に減ります。2本目と3本目の差が8,718円、つまり「残りの1ポイント」です。図で見ると、引き下げでほとんど消えていて、残りはこの細い線1本分しかありません。
| 40〜49歳 | 30〜39歳 | 50〜59歳 | |
|---|---|---|---|
| 1%対象(8%税込) | 941,550円 | 770,246円 | 917,029円 |
| 本体価格 | 871,806円 | 713,191円 | 849,101円 |
| 7ポイント分(減税) | 61,026円 | 49,923円 | 59,437円 |
| 1ポイント分(給付) | 8,718円 | 7,132円 | 8,491円 |
| 8ポイント分(合計) | 69,744円 | 57,055円 | 67,928円 |
月にすると、40〜49歳で減税が5,086円、給付で埋めるはずの部分が727円です。30〜39歳では給付側が594円、50〜59歳では708円になります。
この941,550円は概算です。 一般外食に混ざる出前・宅配・持ち帰り(税法では1%側)は分離できず、残した学校給食には1%にならない全日制の高校・保育所の分が混ざっているためで、理由は「計算の前提」に書いたとおりです。
それでも、1ポイント分が7ポイント分のちょうど7分の1(14.29%)であることは動きません。 これはどの世帯でも同じで、食費の多い少ないによって比は変わりません。変わるのは金額だけです。
なお、消費支出全体(40〜49歳で4,243,468円)に対して見ると、7ポイント分は1.44%、1ポイント分は0.21%にあたります。
いまの税込価格を基準にした下がり幅で言うと、8%から1%へは6.48%、1%から0%へはさらに0.93%、合わせて7.41%です。この7.41%のうち、レジで見えるのが6.48%分、給付に回されているのが0.93%分という配分になっています。
0%と1%は、レジの外では別物
ここからが、消費者から見えないところの話です。
1%は「非課税」ではありません。 税率を下げる形です。大綱(案)は「消費税の税率を0.78%とする特例を創設する(地方消費税率と合わせて1%)」としています。消費税法第29条が税率を定める条文で、そこに特例を置く形です。
非課税にすると何が変わるか。仕入れのときに払った消費税を控除できなくなります。 国税庁No.6401は、個別対応方式の仕入控除税額を次の算式で計算するとしています。
仕入控除税額 = イ + (ハ × 課税売上割合)
イは「課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの」、ハは「課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係るもの」です。ロ「非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの」は、この算式に入っていません。 控除できなかった分は原価になり、最終的に価格に乗ります。税率を下げるやり方なら課税取引のままなので、この問題は起きません。
簡易課税だと、1%でも納付税額が残る
0%と1%で本当に差が出るのは、簡易課税制度を選んでいる事業者です。
消費税法第37条第1項第1号は、簡易課税の仕入控除税額を、「課税標準である金額の合計額に対する消費税額」(=売上げに係る消費税額。売上げに係る対価の返還等があればそれを控除した残額)の100分の60、または事業の種類ごとに政令で定める率(みなし仕入率)を乗じた金額とすると定めています。この式のどこにも、仕入れで実際にいくら払ったかは入りません。 したがって納付税額は「売上税額 ×(1 − みなし仕入率)」になります。
税率が0%なら売上税額が0円になるので、みなし仕入率を掛けても0円、納付税額も自動的に0円です。ところが1%だと、わずかでも売上税額が立つので、納付税額が残ります。
架空の設例で並べてみます。税抜売上1,000万円がすべて飲食料品、課税仕入れが税抜600万円ですべて10%対象(肥料・燃料・資材など)の農家です。みなし仕入率は第2種事業の80%を使いました(国税庁No.6505は第2種事業を「小売業、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業に限る)」としています)。
| 簡易課税 | 本則課税 | |
|---|---|---|
| いま(軽減税率8%) | 160,000円の納付 | 200,000円の納付 |
| 特例税率1% | 20,000円の納付 | 500,000円の還付 |
| もし0%だったら | 0円 | 600,000円の還付 |
いまは簡易課税のほうが40,000円有利ですが、1%になると520,000円ぶん不利になります。 売るものの税率だけが1%に下がり、買うもの(肥料・燃料・資材)の税率は10%のまま残るためです。中間とりまとめが「仕入税額控除の還付が受けられない農業従事者等」を最初の課題に挙げたのは、この構造のことです。
大綱(案)は、この点をはっきり書いています。
簡易課税制度の適用を受ける事業者においては、飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げの後も、現行制度上は飲食料品の譲渡について一定の納付税額が発生する一方、仮に本則課税を適用していれば納付税額が発生しない場合が多いと見込まれる。
そのうえで、2つの特例を置いています。
- 本則課税へ移るための特例 ― 課税事業者選択届出書などの提出期限を、その課税期間の末日まで後ろ倒しする。簡易課税のいわゆる2年縛りも適用しない
- 簡易課税制度の特例 ― 「簡易課税制度において可能な最大限の対応として」、仕入控除税額を「業種区分にかかわらず、当該特例対象課税資産の譲渡に係る消費税額(いわゆる売上税額)と同額とする」
2の特例を当てはめると、上の設例の簡易課税の納付税額は0円になります。売上税額78,000円(国税分)と同額を控除するので、差し引きゼロです。
つまり、1%にしたうえで、納付税額だけは0%と同じ結果になるように特例が置かれています。 0%にしていれば、この特例は要りませんでした。「技術的な制約から1%」という意見が会議に残る一方で、1%にしたことで別の手当てが必要になっている、というのが原文から見える形です。
なお、この特例でも還付までは出ません(本則課税に移れば500,000円の還付でした)。大綱(案)が農林漁業者のうち本則課税に移行することが困難な簡易課税事業者・免税事業者について、これとは別に「個別の売上高を踏まえた金額を給付する仕組みを導入する」としているのは、そのためと読めます。逆に言えば、本則課税に移れる事業者は、上の届出の特例で還付を受ける側です。家計側だけでなく事業者側でも、1%にしたことで「給付で埋める」部分ができています。
あなたの数字で確かめる手順
自分の家の食費で計算するなら、次の順です。通帳や家計簿の「食費」をそのまま使わないでください。 外食とお酒が混ざっていると、下がらないものまで数えてしまいます。
- 1年分の食費を出す。 月平均しか分からなければ12倍する
- そこからお酒と外食(店で食べた分)を引く。 残ったものが1%対象です。テイクアウト・出前・宅配は引かずに残します(税法では1%側)。学校給食も、小中学校・幼稚園・特別支援学校・夜間課程の高校のものは残します。全日制の高校の学食と保育所の給食費は、1%側ではないので引きます(消費税法施行令第2条の4第2項が挙げる施設に入っていないため)
- 本体価格を出す。 1%対象 ÷ 1.08
- 7ポイント分(減税で来る額)= 本体価格 × 0.07
- 1ポイント分(給付で埋める想定の額)= 本体価格 × 0.01
- 合計が本体価格 × 0.08 と一致することを確かめる
たとえば1%対象が年80万円なら、本体価格は740,741円、減税で来るのが51,852円、給付で埋める想定が7,407円です(足すと59,259円で、本体価格 × 0.08 と一致します)。
5で出た額が、そのまま給付されるわけではありません。 給付は所得に応じた個人単位の額で、世帯の食費とは無関係に決まります。5は「実質ゼロ化と呼ぶために埋める必要がある大きさ」であって、受取見込額ではありません。
【2026年9月16日 追記】大綱が閣議決定されました。「0%」はやはり0回です
2026年9月15日、この記事が引用してきた大綱(案)が閣議決定されました。 表題から「(案)」が取れ、日付欄の「令和○年○月○日」が「令和8年9 月15 日 閣議決定」になっています。
この記事の軸は「政府の決定文書は、なぜ1%なのかを説明していない」というものでした。閣議決定版で数え直しても、結論は変わりません。
| 検索した語 | 令和8年9月11日の大綱(案) | 令和8年9月15日 閣議決定版 |
|---|---|---|
| 「ゼロ」 | 0回 | 0回 |
| 「0%」「0%」 | 0回 | 0回 |
| 「レジ」 | 2回 | 2回 |
| 「半年」 | 2回 | 2回 |
簡易課税の特例も、そのまま残っています。 「業種区分にかかわらず、当該特例対象課税資産の譲渡に係る消費税額(いわゆる売上税額)と同額とする特例を設ける」という一文は、閣議決定版にも同じ文言で置かれています。1%にしたからこそ必要になった特例だ、という記事の指摘はそのまま生きています。
レジシステムへの支援の一文(第二 二6(注))も、9月11日版と一字も違いません。
ただし、法律はまだありません。 財務省「これまでに決定した消費税に関する法律等」に載っている最も新しい項目は、いまも令和元年10月1日のままです。閣議決定は「政府としてこの内容で法案を作る」という決定であって、税率が動く決定ではありません。
閣議決定版で変わったのは、給付側(第三)の字句が数か所と、案の段階で7か所に付いていた「(地方と協議中)」がすべて消えたことです。消費税率の側(第二)は、ページの割れ方が変わっただけで本文は同じでした。まとめ
- 政府の決定文書に「なぜ0%ではなく1%という水準か」は書かれていない。 閣議決定の本文(1〜5ページ)にあるのは「できる限り早期に対応を講ずる観点から」という早さの理由だけで、水準の理由ではない。2026年8月5日の閣議決定の本文にも、2026年9月11日の大綱(案)全16ページにも、「0%」という記述は一度も出てこない
- 水準の理由が読み取れるのは、閣議決定の別紙11ページの意見欄だけ。そこにあるのは「半年で実施できる」という早さと、「消費税減税は高所得者優遇になるという批判にも対応できる」という2つ。「技術的な制約」の中身は書かれていない
- 「実質ゼロ化」は、8ポイントを7と1に分ける話。 7ポイントが減税、1ポイントが給付(就業者負担軽減支援金)で来る
- 1ポイント分は、世帯主40〜49歳の勤労者世帯で年8,718円(月727円)。 7ポイント分の61,026円に対して、ちょうど7分の1にあたる。30〜39歳は7,132円(月594円)、50〜59歳は8,491円(月708円)
- ただしこの額は概算。家計調査の「一般外食」には1%側の出前・宅配・持ち帰りが混ざり、残した「学校給食」には1%にならない全日制高校・保育所の分が混ざるためで、どちらも統計からは分離できない。7対1という比のほうは、額がいくつでも変わらない
- 減税はレジで自動的に効くが、給付は要件があり、額も所得の閾値もまだ決まっていない。同じ「ゼロ」でも確実さが違う
- 事業者の申告では0%と1%は別物。 簡易課税だと1%でも納付税額が残るため、売上税額と同額を控除して0にする特例が置かれた。0%なら要らなかった特例
- 設例の農家では、1%になると簡易課税と本則課税の有利不利が520,000円ひっくり返る。だから届出期限の後ろ倒しと2年縛りの解除が用意されている
- 2026年9月16日時点で、根拠となる法律は成立していない。 ただし大綱は2026年9月15日に閣議決定された(記事が引用している大綱(案)は、その直前の9月11日版)。閣議決定版でも「0%」は1回も出てこない