2026年6月16日、日本銀行は金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移するよう促すことを決めました。新しい調節方針が適用されたのは翌営業日の6月17日です。
ニュースはその日のうちに「住宅ローンの金利が上がる」と伝えました。しかし、この記事を書いている2026年9月13日の時点で、その決定はまだ多くの人の返済に届いていません。
三菱UFJ銀行の告知をたどると、届く日はこうなっています。
| 段階 | 日付 | 6月16日からの日数 |
|---|---|---|
| 日銀が決定 | 2026年6月16日 | — |
| 同行が短期プライムレートの引き上げを発表 | 2026年6月16日 | 0日 |
| 短期プライムレートの実施(2.125%→2.375%) | 2026年8月3日 | 48日 |
| 住宅ローンの基準金利の見直し | 2026年9月1日 | 77日 |
| 返済に反映(変動金利・毎月型) | 2026年11月の約定返済分 | — |
| 返済に反映(変動金利・年2回型) | 2027年1月の約定返済分 | — |
結論
金利が上がるという話には、決まる日と、効き始める日の2つがあります。報道されるのは前者で、家計に効くのは後者です。この2つの間隔が、思っているよりずっと長く空いています。
しかも、遅れているのは実施だけです。 銀行は日銀が決めた当日に引き上げを発表しています。つまり会合の日には、いつ・いくら上がるかがすでに確定していて、その予定表が数か月かけて順番に進んでいくだけです。会合の日に慌てて何かを判断する材料は、実は何も増えていません。
そして届いたあとも、毎月の返済額はすぐには変わりません。変動金利で元利均等返済なら、5年ルールで据え置かれるからです。変わるのは返済額の内訳です。
遅れは免除ではなく、順番です。 効き始める日が来れば、そこから先は完済まで新しい金利で利息がかかります。
計算の前提
| 項目 | 置いた条件 | 根拠 |
|---|---|---|
| 対象の決定 | 2026年6月16日の金融政策決定会合 | 日本銀行の公表文 |
| 上げ幅 | 政策金利0.75%→1.0%、短期プライムレート2.125%→2.375% | 日本銀行の公表文・統計 |
| 借入先 | 三菱UFJ銀行 | 反映時期を告知で公表している |
| 残高 | 3,000万円(架空の設例) | — |
| 返済日 | 毎月27日(架空の設例) | 契約ごとに違うため仮に置いた |
| 返済方法 | 変動金利・元利均等返済 | 5年ルールの対象 |
日数の計算に使った日付はすべて公表資料の実績値です。 残高と返済日だけが、説明のために置いた架空の設定です。
政策金利が動いた回と、短プラが動いた回は一致していない
住宅ローンの変動金利は、銀行が定める基準金利から引下げ幅を引いて決まります。そして三菱UFJ銀行の場合、その基準金利の見直しは、告知のとおり**短期プライムレート(短プラ)**の引き上げに伴って行われます。ではその短プラは、日銀が動けば必ず動くのでしょうか。
実績を並べると、答えは「必ずではない」です。
左から2つ目までは、下の線(政策金利)だけが上がって上の線(短プラ)が平らです。マイナス金利の解除では短プラは動きませんでした。3つ目より右では2本の間隔が変わっていません。上げ幅が一致しているということです。
2024年3月19日、日銀はマイナス金利政策を解除し、無担保コールレートの誘導目標を0〜0.1%程度としました。このとき短プラは**1.475%**のまま動いていません。この水準は2009年1月13日から続いていたものです。
短プラが動き始めたのは、その次の2024年7月31日の決定からです。
| 日銀の決定 | 政策金利 | 上げ幅 | 短プラの実施日 | 短プラ | 上げ幅 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年3月19日 | 0〜0.1%程度 | — | (動かず) | 1.475% | — |
| 2024年7月31日 | 0.25%程度 | +0.15 | 2024年9月2日 | 1.625% | +0.150 |
| 2025年1月24日 | 0.5%程度 | +0.25 | 2025年3月3日 | 1.875% | +0.250 |
| 2025年12月19日 | 0.75%程度 | +0.25 | 2026年2月2日 | 2.125% | +0.250 |
| 2026年6月16日 | 1.0%程度 | +0.25 | 2026年8月3日 | 2.375% | +0.250 |
4回とも、上げ幅がぴったり一致しています。 政策金利は0.1%から1.0%へ0.90ポイント、短プラは1.475%から2.375%へ0.900ポイント。累計でも一致します。
ただしこれは「連動する仕組みがある」という意味ではありません。短プラは各行が自主的に決める金利です。実際、マイナス金利の解除では動かなかったという前例が残っています。「日銀が動けば短プラも同じだけ動く」は、いまのところ4回続いている実績であって、約束ではありません。
決定から実施まで、33日から48日へ延びている
次に、会合で決まってから、短プラが実際に引き上げられるまでの日数を数えます。
| 日銀の決定日 | 短プラの実施日 | 日数 |
|---|---|---|
| 2024年7月31日 | 2024年9月2日 | 33日 |
| 2025年1月24日 | 2025年3月3日 | 38日 |
| 2025年12月19日 | 2026年2月2日 | 45日 |
| 2026年6月16日 | 2026年8月3日 | 48日 |
4回とも1か月以上空いていて、しかも回を追うごとに延びています。 33日・38日・45日・48日。最初の回と直近の回で15日の差があります。
この「延びている」という傾向は、5回目(2026年9月18日の決定)で止まりました。 実施日は2026年11月2日で45日です。この節は4回分の実績を書いた当時のまま残しています。記事末尾の【2026年9月19日 追記】を読んでください。ここで重要なのは、遅れているのは実施であって、決定ではないという点です。三菱UFJ銀行の告知は4回とも、日銀の会合と同じ日付を引き上げの発表日として書いています。
2026年6月16日発表の「短期プライムレートの引き上げ」に伴い、2026年9月1日より住宅ローンの変動金利の基準金利を見直しします。 三菱UFJ銀行「【住宅ローン】変動金利の基準金利見直しについて」(2026年6月17日現在)
同じ文が、2025年12月19日の決定については「2025年12月19日発表の」、2025年1月24日の決定については「2025年1月24日発表の」、2024年7月31日の決定については「2024年7月31日発表の」で始まります。会合の当日に発表され、実施だけが後ろにあるという形が4回繰り返されています。
短プラのあと、基準金利の見直しまでさらに1か月
短プラが上がっても、住宅ローンの基準金利はその日には動きません。銀行が別途「基準金利の見直し日」を定めているためです。
| 日銀の決定日 | 基準金利の見直し日 | 日数 |
|---|---|---|
| 2024年7月31日 | 2024年10月1日 | 62日 |
| 2025年1月24日 | 2025年4月1日 | 67日 |
| 2025年12月19日 | 2026年3月1日 | 72日 |
| 2026年6月16日 | 2026年9月1日 | 77日 |
ここでも延びています。62日・67日・72日・77日。4回とも、前の回よりちょうど5日ずつ延びています。 短プラの実施日から数えると、2026年のケースでは8月3日から9月1日までの1か月弱です。
この「ちょうど5日ずつ」という並びも、5回目(2026年9月18日の決定)で途切れました。 見直し日は2026年12月1日で74日、前の回より3日短くなっています。この節は4回分の実績を書いた当時のまま残しています。記事末尾の【2026年9月19日 追記】を読んでください。返済に届くのは、さらに2か月後
基準金利が見直されても、新しい利率がいつから適用されるかはまた別に決まっています。三菱UFJ銀行の2026年6月16日の決定に関する告知では、こうなっています。
| 金利の種類 | 見直しの基準日 | 新利率の適用開始日 | 返済への反映 |
|---|---|---|---|
| 変動金利(毎月型) | 2026年9月1日 | 2026年10月の返済日の翌日 | 2026年11月の約定返済分 |
| 変動金利(年2回型) | 2026年10月1日 | 2026年12月の返済日の翌日 | 2027年1月の約定返済分 |
2026年6月16日に決まったことが、年2回型の人の返済に現れるのは2027年1月です。 半年以上あります。
過去4回も同じ手順で進んでいます。ただし毎月型と年2回型のずれは、回によって1か月だったり2か月だったりします。
| 日銀の決定 | 毎月型の基準日 → 反映 | 年2回型の基準日 → 反映 | 2つのずれ |
|---|---|---|---|
| 2024年7月31日 | 2024年10月1日 → 2024年12月 | 2024年10月1日 → 2025年1月 | 1か月 |
| 2025年1月24日 | 2025年4月1日 → 2025年6月 | 2025年4月1日 → 2025年7月 | 1か月 |
| 2025年12月19日 | 2026年3月1日 → 2026年5月 | 2026年4月1日 → 2026年7月 | 2か月 |
| 2026年6月16日 | 2026年9月1日 → 2026年11月 | 2026年10月1日 → 2027年1月 | 2か月 |
理由は基準日の置き方にあります。4回とも、年2回型の基準日は4月1日か10月1日でした。 毎月型の基準日がちょうど4月1日・10月1日に重なった回(2024年と2025年1月の回)は、2つの基準日が同じになるのでずれは1か月です。重ならなかった回は、年2回型が次の4月1日・10月1日まで待つので2か月になります。
したがって「年2回型は毎月型の2か月遅れ」と覚えないでください。 自分の基準日は告知の表で確かめるものです。
5回目(2026年9月18日の決定)では、このずれが5か月になりました。 毎月型の基準日が2026年12月1日で、年2回型が2027年4月1日まで待つためです。記事末尾の【2026年9月19日 追記】を読んでください。なお、この毎月型・年2回型の区分は既存の借入に対するものです。告知は4本とも、基準金利の見直し日以降に新しく借りる人は毎月1日を基準日とすると書いています。また4本とも、当初借入日が2008年12月以前のローン等はこのルールに基づかない場合があると注記しています。古い借入がある人は、この表のとおりに動くとは限りません。
遅れている間、利息は旧い金利のまま
この遅れは、家計にとって具体的にいくらでしょうか。
残高3,000万円で、返済日を毎月27日と置きます。すると新利率の適用開始日は、毎月型が2026年10月28日、年2回型が2026年12月28日です。決定日の2026年6月16日からの日数は、それぞれ134日と195日になります。
もし決定の日から金利が上がっていたとしたら、その間に増えていたはずの利息はこうなります。
| 金利の種類 | 決定日から適用開始日の前日までの日数 | 増えずに済んだ利息 |
|---|---|---|
| 変動金利(毎月型) | 134日 | 27,534円 |
| 変動金利(年2回型) | 195日 | 40,068円 |
これは値引きではありません。 適用開始日より後は新しい金利で利息がかかり、それが完済まで続きます。前倒しにならなかっただけで、総額が減ったわけではないからです。
届いても、毎月の返済額は変わらない
適用金利が上がった後も、変動金利かつ元利均等返済なら、毎月の返済額はすぐには変わりません。三菱UFJ銀行は告知のQ&Aでこう書いています。
変動金利かつ元利均等返済で借入中の場合、10月1日を基準とした5年間は返済額に変更はありません(返済額の元金分と利息分の割合は変わります)。 三菱UFJ銀行「【住宅ローン】変動金利の基準金利見直しについて」(2026年6月17日現在)
いわゆる5年ルールです。増えるのは返済額ではなく、返済額のうち利息に回る分です。
残高3,000万円で0.25ポイント上がると、ひと月の利息は次のように増えます。
| 残高 | ひと月の利息の増加 | 1年あたり |
|---|---|---|
| 2,000万円 | 4,167円 | 50,000円 |
| 2,500万円 | 5,208円 | 62,500円 |
| 3,000万円 | 6,250円 | 75,000円 |
| 3,500万円 | 7,292円 | 87,500円 |
| 4,000万円 | 8,333円 | 100,000円 |
| 適用前 | 適用後 | |
|---|---|---|
| 元金に充てられる分 | 75,000 | 68,750 |
| 利息に充てられる分 | 25,000 | 31,250 |
| 合計 | 100,000 | 100,000 |
2本の棒は高さが同じ=返済額は100,000円のまま変わりません。動いているのは色の境目だけで、利息に回る分が6,250円増え、その分だけ元金に回る分が減っています。点線の傾きが、元金の減り方が遅くなったことを示しています。
返済額が変わらないことと、負担が変わらないことは別です。 元金の減りが遅くなれば、残った元金に翌月も利息がかかります。この仕組みは「住宅ローンの5年ルール ― 金利が上がっても返済額が変わらない理由」で、実際の上昇幅を使って計算しています。
なお三菱UFJ銀行は、元金均等返済には5年ルール・125%ルールがないとも告知しています。返済方法によって挙動が変わります。
次に動いたとき、いつ届くか
日銀の金融政策決定会合は年8回で、日程は事前に公表されています。2026年の後半に予定されているのは3回です。
| 開催日 |
|---|
| 2026年9月17日(木)・18日(金) |
| 2026年10月29日(木)・30日(金) |
| 2026年12月17日(木)・18日(金) |
金利が動くかどうかは事前には分かりません。ただし動いた場合にいつ届くかは、これまでの日数から見当をつけられます。過去4回の実績は、決定日から短プラの実施まで33日〜48日、基準金利の見直しまで62日〜77日でした。これを会合2日目の日付に足すと、こうなります。
| 会合の2日目 | 短プラの実施 | 基準金利の見直し |
|---|---|---|
| 2026年9月18日 | 2026年10月21日〜11月5日ごろ | 2026年11月19日〜12月4日ごろ |
| 2026年10月30日 | 2026年12月2日〜12月17日ごろ | 2026年12月31日〜2027年1月15日ごろ |
| 2026年12月18日 | 2027年1月20日〜2月4日ごろ | 2027年2月18日〜3月5日ごろ |
これは過去の日数を並べただけで、日銀も銀行も予告していません。 それぞれの回に利上げがあると決まったわけでもありません。実際の日付は、決まったときに各行が告知します。
あなたの数字で確かめる手順
① 自分の変動金利が「毎月型」か「年2回型」かを確認する
三菱UFJ銀行の場合、「ご返済のお知らせ」に金利の種類が書かれています。どちらかで反映される月が変わります。ずれ幅は回によって違い、過去4回では1か月の回が2回、2か月の回が2回でした。 何か月と覚えるのではなく、そのときの告知の表で自分の基準日を読んでください。他の金融機関は仕組み自体が違うことがあるので、借入先の告知を見てください。
② 残高に上げ幅を掛けて、12で割る
ひと月あたりの利息の増加は、次の式で出ます。
ひと月の利息の増加 = 残高 × 上げ幅(%) ÷ 100 ÷ 12
残高3,000万円・上げ幅0.25ポイントなら、30,000,000 × 0.0025 ÷ 12 = 6,250円です。返済予定表の残高をそのまま入れてください。
③ 適用開始日までの日数を数える
告知に書かれた適用開始日と今日の差が、旧い金利のままでいられる日数です。その間は②の金額が増えません。
④ 自分の引下げ幅を契約書で確かめる
適用金利は「基準金利 − 引下げ幅」で決まります。引下げ幅が変わらなければ、基準金利の上昇はそのまま適用金利に乗るので、②の計算に上げ幅をそのまま使って構いません。
ただし引下げ幅がどう扱われるかは契約の内容であって、銀行の告知には書かれていません。 三菱UFJ銀行の公表ページでも確認できませんでした。金銭消費貸借契約書か「ご返済のお知らせ」で、自分の引下げ幅と、それが期間中どう扱われるかを確かめてください。
⑤ 繰り上げ返済を考えるなら、控除との関係まで見る
繰り上げ返済で利息をいくら減らせるかは「繰り上げ返済シミュレーター」で計算できます。住宅ローン控除の期間中は、利息の減少と控除の減少が同時に起きるため、片方だけを見ると判断を誤ります。
【2026年9月18日 追記】5回目の利上げが決まりました
2026年9月18日、日本銀行は金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.25%程度で推移するよう促すことを決めました。採決は賛成7・反対2です。
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、1.25%程度で推移するよう促す 日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年9月18日)
公表は同日の11時54分でした。新しい調節方針が適用されるのは翌営業日で、公表文は次のように書いています。
新たな金融市場調節方針は、翌営業日(9月24 日)から適用する。 同上(脚注1)
同じ決定で、補完当座預金制度の適用利率が**1.25%に、補完貸付制度の基準貸付利率が1.5%**に変更されました。どちらも適用は2026年9月24日からです。
これで2024年7月31日から数えて5回目の引き上げになります。政策金利は、2024年3月19日のマイナス金利解除後の誘導目標の上限0.1%から、累計で1.15ポイント上がりました。
ただし、この記事が数えている4段階のうち、進んだのはまだ1段階目だけです。
| 段階 | 状況(2026年9月18日 14時20分時点) |
|---|---|
| 日銀が決定 | 2026年9月18日に決定・公表 |
| 短期プライムレートの引き上げ発表 | 三菱UFJ銀行のニュースリリース一覧に掲載なし |
| 短期プライムレートの実施 | 同行の短期プライムレートは年2.375%(2026年8月3日より適用)のまま |
| 住宅ローンの基準金利の見直し | 告知なし |
過去4回は、いずれも会合の当日に同行がニュースリリースで引き上げを発表していました。直近の回の文面はこうです。
株式会社三菱UFJ 銀行(取締役頭取執行役員 大澤 正和)は、日本銀行の金融政策決定会合の結果、ならびに市場金利上昇を受けて、短期プライムレートを変更します。 三菱UFJ銀行「短期プライムレートの改定について」(2026年6月16日)
したがって、今回も発表自体は間もなく出る可能性が高い一方、実施日は先になります。 本文の表のとおり、決定日から短プラの実施までは33日・38日・45日・48日、基準金利の見直しまでは62日・67日・72日・77日でした。これを2026年9月18日に足すと、短プラの実施は2026年10月21日ごろから11月5日ごろ、基準金利の見直しは2026年11月19日ごろから12月4日ごろになります。過去の日数を足しただけの目安であって、日銀も銀行も予告していません。
本文の「2026年後半に予定されている会合」の表のうち、9月17日・18日の回は終わりました。残るのは10月29日・30日と12月17日・18日の2回です。
【2026年9月19日 追記】2.625%へ、基準金利の見直しは12月1日
翌日の2026年9月19日に確認したところ、三菱UFJ銀行は会合当日(2026年9月18日)付で2本の告知を出していました。前日の追記で「掲載なし」と書いたのは、同日14時20分時点での確認によるものです。結果として、4段階すべての日付が出そろいました。
短期プライムレートは2026年11月2日から2.625%
短期プライムレートの改定(改定日:2026 年11 月2 日(月)) 変更前 2.375% 変更後 2.625% 増減 +0.25% 三菱UFJ銀行「短期プライムレートの改定について」(2026年9月18日)
文面の書き出しは過去の回と同じで、「日本銀行の金融政策決定会合の結果、ならびに市場金利上昇を受けて」とあります。発表日は会合の当日で、5回とも変わりません。
| 日銀の決定日 | 短プラの実施日 | 日数 |
|---|---|---|
| 2024年7月31日 | 2024年9月2日 | 33日 |
| 2025年1月24日 | 2025年3月3日 | 38日 |
| 2025年12月19日 | 2026年2月2日 | 45日 |
| 2026年6月16日 | 2026年8月3日 | 48日 |
| 2026年9月18日 | 2026年11月2日 | 45日 |
本文に書いた「回を追うごとに延びている」という傾向は、ここで止まりました。 33日・38日・45日・48日と延びてきた日数が、今回は45日に戻っています。4回の並びから「次は50日前後だろう」と外挿することは、これで成り立たなくなりました。ただし、1か月以上空くという点は5回とも変わっていません。
短プラの水準は、2024年7月31日の決定より前の1.475%から数えて、累計で1.150ポイントの上昇になります。政策金利の累計(0.1%→1.25%で1.15ポイント)と、ここでも一致しています。
住宅ローンの基準金利の見直しは2026年12月1日
2026年9月18日発表の「短期プライムレートの引き上げ」に伴い、2026年12月1日より住宅ローンの変動金利の基準金利を見直しします。 三菱UFJ銀行「【住宅ローン】変動金利の基準金利見直しについて」
決定日から74日後です。
| 日銀の決定日 | 基準金利の見直し日 | 日数 |
|---|---|---|
| 2024年7月31日 | 2024年10月1日 | 62日 |
| 2025年1月24日 | 2025年4月1日 | 67日 |
| 2025年12月19日 | 2026年3月1日 | 72日 |
| 2026年6月16日 | 2026年9月1日 | 77日 |
| 2026年9月18日 | 2026年12月1日 | 74日 |
「4回とも前の回よりちょうど5日ずつ延びている」という並びも、ここで途切れました。 本文にそう書いたのは4回分の実績にもとづくものでしたが、5回目は74日で、前の回より3日短くなっています。日数の規則性は、あくまで結果としてそう並んだだけだったということです。
なお、この2つ(短プラの実施日と基準金利の見直し日)は、前の追記で示した見当(10月21日〜11月5日ごろ/11月19日〜12月4日ごろ)の範囲には入りました。過去の日数の幅で見当をつけることは今回も使えましたが、傾向の延長で1日を当てにいくことはできません。
返済に届くのは、年2回型で2027年7月
告知の表はこうなっています。
| 金利の種類 | 見直しの基準日 | 新利率の適用開始日 | 返済への反映 | 「ご返済のお知らせ」 |
|---|---|---|---|---|
| 変動金利(毎月型) | 2026年12月1日 | 2027年1月の返済日の翌日 | 2027年2月の約定返済分 | 2027年1月上旬頃 |
| 変動金利(年2回型) | 2027年4月1日 | 2027年6月の返済日の翌日 | 2027年7月の約定返済分 | 2027年5月上旬頃 |
毎月型と年2回型のずれが、今回は5か月になりました。 過去4回は1か月・1か月・2か月・2か月でしたから、これまでで最大です。
| 日銀の決定 | 毎月型の反映 | 年2回型の反映 | ずれ |
|---|---|---|---|
| 2024年7月31日 | 2024年12月 | 2025年1月 | 1か月 |
| 2025年1月24日 | 2025年6月 | 2025年7月 | 1か月 |
| 2025年12月19日 | 2026年5月 | 2026年7月 | 2か月 |
| 2026年6月16日 | 2026年11月 | 2027年1月 | 2か月 |
| 2026年9月18日 | 2027年2月 | 2027年7月 | 5か月 |
理由は本文に書いたとおりです。年2回型の基準日は4月1日か10月1日に置かれていて、今回は毎月型の基準日が12月1日だったため、年2回型は次の2027年4月1日まで待つことになりました。10月1日を過ぎた直後に基準日が来たので、待ち時間が最も長くなった形です。
「年2回型は毎月型の2か月遅れ」と覚えていた人は、今回3か月分ずれます。 本文で「何か月と覚えず、告知の表で自分の基準日を読んでください」と書いた理由が、そのまま出た回になりました。
遅れている間の利息を、今回の日付で数え直す
本文と同じ設例(残高3,000万円・返済日は毎月27日・架空)で、決定日から新利率の適用開始日までを数えます。
| 金利の種類 | 決定日から適用開始日まで | 増えずに済んだ利息 |
|---|---|---|
| 変動金利(毎月型) | 132日 | 27,123円 |
| 変動金利(年2回型) | 283日 | 58,151円 |
年2回型は283日、9か月を超えます。前回(2026年6月16日の決定)の195日から大きく延びました。ただし本文に書いたとおり、これは免除ではありません。 適用開始日より後は新しい金利で利息がかかり、完済まで続きます。
まとめ
- 2026年6月16日、日銀は政策金利を1.0%程度へ引き上げることを決めた。短期プライムレートの実施は2026年8月3日(48日後)、住宅ローンの基準金利の見直しは2026年9月1日(77日後)
- 返済に反映されるのは、三菱UFJ銀行の告知では毎月型が2026年11月の約定返済分、年2回型が2027年1月の約定返済分
- 会合の決定日から短プラの実施日までは33日・38日・45日・48日と、回を追うごとに延びている
- 基準金利の見直しまでは62日・67日・72日・77日。4回とも前の回よりちょうど5日ずつ延びている
- ただし遅れているのは実施だけ。銀行は会合と同じ日に引き上げを発表している
- 毎月型と年2回型のずれは回によって1か月にも2か月にもなる。年2回型の基準日が4月1日・10月1日に置かれているため。「2か月遅れ」と覚えず、そのときの告知で自分の基準日を見る
- 2024年3月19日のマイナス金利解除では短プラは1.475%のまま動かなかった。2024年7月31日以降は上げ幅が一致し、累計で0.90ポイント(短プラは0.900ポイント)
- 遅れている間、残高3,000万円なら27,534円(毎月型)・40,068円(年2回型)の利息が増えずに済んだ計算になる。ただし免除ではなく、適用開始日より後は完済まで新しい金利がかかる
- 届いても毎月の返済額は5年ルールで据え置かれる。増えるのは利息に回る分で、残高3,000万円なら月6,250円
- 2026年後半の会合は9月17日・18日、10月29日・30日、12月17日・18日の3回。動くかは分からないが、動いた場合に届く時期は過去の日数(33日〜48日/62日〜77日)から見当がつく
- 【2026年9月18日 追記】その9月17日・18日の会合で、政策金利は1.25%程度へ引き上げられた(賛成7・反対2、公表11時54分、適用は翌営業日の2026年9月24日から)。マイナス金利解除後の0.1%から数えて累計1.15ポイント
- 【2026年9月19日 追記】三菱UFJ銀行は会合当日付で告知を出していた。 短期プライムレートは2026年11月2日に2.375%→2.625%(決定から45日)、住宅ローンの基準金利の見直しは2026年12月1日(74日)
- 【2026年9月19日 追記】この5回目で、日数の規則性は途切れた。 短プラまでは33日・38日・45日・48日と延びたあと45日に戻り、基準金利までは「ちょうど5日ずつ」延びたあと77日→74日と縮んだ。過去の並びを外挿して次の日付を当てにいかないこと
- 【2026年9月19日 追記】返済に届くのは毎月型が2027年2月、年2回型が2027年7月の約定返済分。 ずれは5か月で、過去4回(1か月・1か月・2か月・2か月)より大きい。年2回型の基準日が2027年4月1日になるため